いけがみ耳鼻咽喉科クリニック

補聴器外来

補聴器のよくあるご質問

私はもう補聴器を使った方が良いのでしょうか?

「どの程度の難聴になったら補聴器をつけるのか」という明確な基準はありませんが、「40dBの大きさの音(ささやき声、小雨の音、コオロギの遠音、換気扇の音)が聞こえなくなったら」というのが一つの目安です。また、現在補聴器を所有している方が、「補聴器が必要」と感じたのは70歳(中央値)であったという調査結果もあります。(Japan Trak 2018 調査報告より)

家族に「補聴器をつけたらどうか?」と言われたのですが?

本人に「聞こえなくて困っている」などの「難聴の自覚」がなく、ご家族や知人が無理に補聴器を使わせようとしても補聴器の装用は難しいです。補聴器をつけるという事は、どうしても耳に機械を装着するという違和感が生じます。また、音量や音質その他の調整のために、特に補聴器を使い始めの頃は頻回に再調整をしてもらわないといけません。聞こえにくくなった耳に、補聴器を使って音を聞かせるための「リハビリ」と考えてください。リハビリの大変な時期を乗り越えるためにも、ある程度は本人の補聴器に対する興味や積極性というものが必要になります。

補聴器をつければ、良く聞こえるようになるのですのか?

どういう場面で補聴器を活用したいのかにもよりますが、簡単に言ってしまうと「補聴器の効果実感には個人差がある」です。「補聴器に対して期待すること(場面)」が各々異なる中で、補聴器の効果を確認・実感していただくために、購入前の試聴(貸出し)というシステムをとっています。

補聴器は雑音が入ってうるさいと聞いたけど?

最近の補聴器はデジタル処理で音量・音質を調整して過度に大きな音を抑制できるものがほとんどです。それでも雑音を完全に遮断することは難しいのですが、騒音を抑制して音声を際立たせる機能やハウリング(ピーピー音)を抑制するプログラムが組み込まれた補聴器もあります。補聴器をつけたばかりの頃は雑音等の不必要な音も大きく聞こえてしまいますが、使い続けることによって徐々にその中から必要な音やコトバが聞き取れるようになっていきます。

補聴器にはどんな種類がありますか?

  • 耳あな型補聴器
    耳あな型

    耳の穴に入れて使う補聴器で、耳穴の形状に合わせて作るオーダーメイドのものが一般的です。マイクが耳の穴にあるので、自然に近いかたちで音をとらえます。

  • 耳かけ型補聴器
    耳かけ型

    耳にかけて使う補聴器で、耳あな型に比べ、扱いやすく比較的安価なものもあります。耳の後ろにマイクがあって、そこから音を拾います。そのため「電話の受話器は耳にあてるのではなく耳の後ろにずらす」等の工夫が必要となる場面があります。

  • ポケット型補聴器
    ポケット型

    胸ポケットに入れたり、聞きたい方向に補聴器を向けて使います。本体とイヤホンをコードで繋ぎ、小型ラジオのような形をしています。スイッチ類が大きいので扱いやすく、補聴器の中では最も安価です。

値段はいくらですか?

耳あな型:10~50万円で、一般的なものは20万円くらいです。
耳かけ型:8~30万円で、一般的なものは15万円くらいです。

通信販売のものよりも高額なのは何故ですか?

通信販売の補聴器は、難聴者個々に合わせた調整が行われていないため、十分な効果が得られなかったり、音が大きすぎる等の理由で耳に悪影響を及ぼす可能性があります。また、通信販売で安く購入できるものの中には、“補聴器”ではなく“集音器”などと呼ばれるものがあります。補聴器は医療機器であり、安全性や補聴効果などについて一定の基準をクリアしています。集音器は医療機器ではなく、難聴者が使用するための様々な機能は搭載されておらず、正常に近い聴力の方向けに造られているようです。

公的な助成はありますか?

高齢者補聴器購入者助成

対象者:70歳以上の大田区民で、住民税非課税世帯の方
詳細は下記のリンクより大田区のウェブサイトをご覧ください。

中等度難聴児発達支援事業

対象者:18歳未満の難聴児で、聴覚障がいの身体障害者手帳を交付されていない方
詳細は下記のリンクより大田区のウェブサイトをご覧ください。

補装具費の支給

対象者:聴覚障がいの身体障害者手帳を交付されている方
詳細は下記のリンクより大田区のウェブサイトをご覧ください。

いずれも助成の条件がありますので、まずは各お問い合わせ窓口にてご相談ください。
また、補聴器購入前に補聴器相談医の診療を受けることによって、医療費控除を受けられる場合があります。